ネタの散らべ方は「ハヤテのごとく!」のごとく

コスチューム!

コスチューム!

その一言で、たちまち二人の間に暗黙の協定が結ばれた。目を閉じて口を結んで脳細胞をフォーマットしてすべてみんな無かったことに。過去と現実から目をそらして薄ら笑いを浮かべておこう。そんな約束事。


なぜこの本を手に取ったかというとボイルドエッグズ新人賞をとったというからで, なぜこの本をわざわざ購入したかというと後書きやプロローグがすっごい頭悪そうだったから. 頭悪いものが大好きです. *1


感想はオタク小説だなぁ, と思いました. 青春とかそういうシリアスなのってなんとなく恥ずかしいから馬鹿やって隠しとけ, みたいな. 割とありふれた手法だと思います. でも好きですこういうの. 恥ずかしいから. こっ恥ずかしいものがいものが大好きです. *2


ストーリー骨格はネガティブハッピー・チェインソーエッジ. サブカルチャー青春ものとしてはきれいにまとまっていて凡庸. しかし村山由香が天使の卵「あまりに凡庸、しかし恋愛小説とはこういうものでしょう。」 という評価を得たように, 僕はこの小説を評価します. なぜなら読んでいて楽しいから. 楽しいものは大好きです.


あとキャラクターが阿修羅ガールに似てるな, と感じました. 「春崎聖香」が「アイコ」で「楠柳也」が「桜月淡雪」で「コスプレ」が「金田陽治」. 的外れですかね?
次回作では, 全然サブカルチャーが出てこないものが読んでみたいです.

*1:だっていきなりススミチがそのまま出てくるのですよ?

*2:商業的にはタイトルに売りを入れたほうが良いだろうに,「コスプレ」も「心霊」の文字も入れずに「コスチューム!」にしているあたりが恥ずかしくて大好き.あなたは何を着ているの? って聞かれている感じです.